ユータナジー

「バカは死んでも治らない」みたいな言葉があるけど
「死んでも治らない」とはどういう理屈なのだろうか。


「死してなおバカという病にさいなまれています」
ということだろうか。
バカが病気であるかどうかはまず置いておいて、
死んだあとも病気が進行中とはどういう状態なのだろう。


「バカは死ぬまで治らない」だったらまだわかる気がする。


「バカ『は』死んでも〜」ということは
「バカは死んでも治らないけど、カゼは死んだら治ります」
みたいな意味が暗に隠れているのだろうか。


しかし「死んだら治る」「死ぬまで治らない」という理屈にも疑問がある。
「病気が治る」という状態を、
「身体機能・精神状態に特に痛みも苦しみもなく健康である」という状態だとすると
死んでしまったらその時点で治る治らない以前に
身体機能も停止してしまっているし精神も存在していない(はず)。
なので死んでから病気が治るとか治らないとかを語るのもおかしい。


「バカは風邪をひかない」とは
「バカは風邪をひいてもひいたことに気づかない」ということである、
という理論を聞いたことがあるのだが
これに基づいて考えると
「バカは死んでも治らない」は
「バカは死んでも死んだことに気づかない」ということである、
と解釈できはしないだろうか。


人生は一度きり、死んでしまったらおしまいだが
もし仮に死んでしまったとして、
死んだことにも気づかずにいられるなら
それはおそらく幸せなんじゃないかと思う。
「バカでよかった…」と思えるんじゃないかと思う。